久々に『写研』を仕事で取り扱いました。
実は我がギアプレスでは、写研の物件も扱っています。
そうは言ってもRIPや出力機があるわけではなく、制作する書籍の組版を専門の業者さんに依頼します。
ということ(笑)で何となく写研のお話でも・・・
(あ、私、写研経験者。それもSAPCOL(笑))
写研と言えば、出版・印刷ギョーカイ人なら知っての通り、
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“美しい文字や組版はできるけど閉ざされた世界で、コストバカ高”
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って感じですか。
元々「写植機」から始まり、「電算写植機」を開発販売していました。
昭和50年代、活版→オフセットへの移行期には印刷会社がこぞって写研の機械を導入し、日本の印刷物の文字はほぼ全て写研の書体が独占していました。
まあこの辺の経緯は別のサイトなどを見てください。(笑)
で、最近なんか
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「写研ってやっぱりすげー(かもしれない)や」
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って思うようになりました。
何がすごいって、その圧倒的な組版生産力とあまり考えなくても良い組版。
普通DTPだと、マスター作って??組み合わせ文字間の設定して??ページアップして??マウスでクリクリ・・・
ふ??って感じですよね?(あ、もちろんQXやIdで自動組版できるけど・・・)これが写研だと・・・・
え?い。
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ど?っん
DTPでいうマスターはこのコマンドで完結。
いやはや簡単です。(笑)
このコマンド打ち作業を「コーディング」といいます。
この命令文(SAPCOL)に、やれ仕上がり寸法とか基本級数・文字種とか埋め込んでおいて、この下に本文を流します。
あとは、出力機に写研フォーマットFD(昔懐かしIBM形式)かMO(こちらはDOS)を入れて、たしか・・・
.FDUT[↓]
#o[↓]
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ってここでもまたコマンド打ち込んで、後は待てばゲラが出ます。
う?ん懐かしいなあ。
もちろん現行機、シンギスとかはWindowsマシン(HITACHI機ベースの独自カスタム機)で、他のDTPと同じように組版できるのですが、裏では全て上記SAPCOLコマンドで動いています。
そのコマンドですが、例えば文字を7倍で揃えたい時・・・
DTPだと、えーとマウスで文字を選択して?アキ量を、え?このくらい・・・って所を・・・
と、字取りコマンド入れればOK。ああ、楽です。
もちろんコマンドを覚えればの話です。
ちなみに昔の写研のオペレータは、常に「写研よろずメモ」なるコマンド冊子を片手に置きそれを参照しながらコマンドを打ち込んだものです。
HTMLなどまだこの世になかった頃からほぼ完成されたSAPCOLはありました。
組版言語といえばTeXなどもが有名ですが、
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SAPCOLは日本語化されている。
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そうなんです。しかもコマンド文も短い。
例えば表組みや罫線も楽チン
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?ばーん(古っ)。これで罫線含めた表組み完成。
おおお、なんてカンタン。DTPでは重い表組みもテキストのみだから軽い軽い。
しかし、この写研バッチ組版には欠点が・・・・
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可読性は悪いし、
出力機もしくは組処理機にかけるまでは結果が判らない・・・
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ぐぉ!これって最大の欠点!?
エラー時のデバッグも非常に悪い・・・
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いやいや、もっと重大なことが・・・
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実はバッチ処理用の組版機はもう写研で生産していない・・
印刷会社でも持っているトコはもうほとんどない・・
さらには・・・
写研はフォントが課金制・・・
文字を打って出すとお金が・・・
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(・・・・・・)
?(涙)
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これじゃね?
ああ、写研・・・されども写研・・・やはり過去の遺物なのか・・・・
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何というか写研って・・・
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暗渠だな。(笑)