荒玉水道道路を走る

荒玉水道とは大正年間、人口増加に伴う東京の水需要に対応するため、世田谷砧(きぬた)を流れる多摩川から導水し、北東方向約16.5km先の板橋大谷口まで敷設した地下水道です。
計画では荒川に接続する予定だったそうですが、諸事情で中止され名称のみ荒玉(多摩)となっています。
その荒玉水道の地上部分(一部分、砧・梅里間)を道路として整備したのが荒玉水道道路(都道428号線)で、都内では珍しい直線道となっています。
私は通勤で部分的に本道を使用していますが、全線走ったことはありませんでした。
そして都合良く世田谷に行く用事があったので、道草がてら仕事場の中野を午後に出て全線ロードバイクで走ってみました。


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今回のミニ水路探訪の起点は「野方配水塔」。
さらに北東にかつては「大谷口配水塔」がありましたが現存していないので今回は大谷口まで行かずこことしました。
昭和初期に建設され、その後約30年間配水塔として使われたそうで、今でもその優美かつモダンな容姿を見ることができます。

中野事務所から世田谷の逆方向「中野通り」を北、野方までひとっ走り。

「みずのとう公園」の中にそびえる。
近くからだとなんだか良く判らん。(笑)
大戦中に機銃掃射を受け、その弾痕が未だ残っています(写真撮りそびれ・・・)。

 

少し引いて見てみると、塔は帽子を被っているのが判る。

 

再び事務所のある方向に戻り、大久保通り経由で「荒玉水道道路」の起点杉並区梅里へ。
青梅街道との交差点で交通量多し。
ちなみに「荒玉」は狭く水道管が地下にある都合上4t以上の車は走れません。
また途中、一方通行区間や交差する幹線を跨げなかったりする個所が多数あります。

 

しばらくはクネクネした細い道ですが、妙法寺付近から直線道が始まります。

 

善福寺川の谷を越えた付近。和田堀公園の緑が良い感じ。
この付近は私の通勤路。

 

いかにも水路らしいシグナルがあちこちにあり愉しませてくれる。

 

桜上水付近。“桜上水” という名前の響きは実に美しいと思う。
直線道はまだまだ続く。途中、いくつかの河川の谷を通過するのでそこそこのアップダウンが走っていて心地よい。

 

写真ばかり撮っていると用事を済ませないので(笑)、桜上水から一気に世田谷砧まで。
この辺りまで来ると風景がガラリと変わる。
この坂の下は野川と多摩川。

 

そしてここが終着の「砧浄水場」。

 

砧近くに用事があったがもう少し南まで走り、多摩川へ。
秋の午後は短い。既に太陽も西に傾いていた。

 

この後、用事を済ませ帰路につく。
走った距離は29.31km。朝の事務所までの通勤距離を足すと本日は42kmでした。

 

【完】

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