久々に古き良き刊行物のご紹介。
その世代の方々には「わ?懐かしいのぉ?」な二誌。
その名も大日本雄弁会(現講談社)発行『少年倶楽部』。
(左)昭和14年新年号 (右)昭和12年2月号
保存状態は14年新年号はまだ良いものの、12年2月号は分解状態。(涙)
入手したのは、今から約25年ほど前の私が高校生当時。
ひょんな事から杉並にあった旧家にお住まいの上品で美人な御婦人と知り合いとなり、ある夏の日その家に遊びに行ったとき戴きました。
御婦人は齢還暦前後で、亡くなった御主人が戦争中、薬学関係の軍属か何かだったという話を懐かしくしていたのを思い出します。
12年2月号が発売された当時は、 盧溝橋事件が起る前夜で、14年新年号のときはまさに日中戦争(支那事変)真っ最中な時代です。
例によってちょっとばっかっし中身をご紹介。(講談社様スミマセン!!m(__)m ちょっとだけですので・・・)
12年2月号の目次。
田川水泡先生、島田啓三先生、サトウハチロー先生、江戸川乱歩先生、等々蒼々たる大先生がいっぱい!
中身の方も内容は濃いです。
これを読めば少年達も大東亜情勢、国内情勢、日本の軍事力、歴史その他を楽しく学べます。
デザインや体裁なども非常にしっかりしており、当時の造本技術の高さに驚きです。
サトウハチロー先生の写真を用いた斬新な小説。まるで活動写真のようだ。
戦前の素晴らしい製版技術により再現されたカラー頁。
欧州大戦(第一次世界大戦)の様子を描いたもので、殺伐とした欧州戦線の様子が良く判る。
美しい日本の里山風景をほのぼの描いた絵。
降雪のあまりない地方で御正月の農閑期だろうか。犬がとても可愛い。
嗚呼勇ましや我が海軍。南洋諸島での雷撃演習を描いたのだろうか。
機体は恐らく三菱G3M九六式陸上攻撃機。
後方の艦艇は、主砲やマスト、煙突の形状から最上型重巡洋艦かもしれない。
息抜きのマンガもあります。描き方は非常に丁寧。