コンパクトリンコウバッグと輪行について

久々の輪行準備。うーん直近で公共交通利用で輪行したのは23年前っす。
んで、改めて現代の最新(?)輪行袋を調達。モンベラーたる自分だから、もちろんモンベルのを選択。

買ったのは「コンパクトリンコウバッグ」なるバイクパックだが、実情は「輪行袋」とは多少違っていた(買う前から知っていたが)。何が違うのか?

 

パッキングテストしながらそれらをレポート。

バイクを逆さまにして、前後ホイールを外し(アウタートップで外すのが良いでしょう)、フレームを内側にしホイールでサンドウィッチさせ製品付属のストラップを用い任意の三箇所で固定させる。ここまで5分とかからない。

あとは袋を被せれば完了だが、自分的にかつての経験則を活かすため少し工夫してみた。

チェーンは垂らすとステーと交差し接触するからフェルト(マジックテープ付き)で養生させ、スプロケットは靴下の先を切って作ったカバーを被せた。逆さま型なのでエンド金具は当座用いない方向だが、あった方が安全性は増すだろう。

取説に「サドルを下げるとよりコンパクトになります」的な文言があるが、昔のランドナーならともかく、サドル位置がシビアなレーサーを運ぶ人だったらまず下げないだろう。もちろん自分も下げない。


黄色記中の黒いマジックストラップテープでハンドルを固定

ハンドル位置はフォークを90度回し、家にあったマジックストラップテープでフレームに固定し動かないようにした。

ここまでは良いと思う。たいていのロード(レーサー)なら前後ホイールを外しマシンはコンパクトになりJR(東日本)の言う「(無料手回り品)第308条 ―略―運輸上支障を生ずるおそれがないと認められるときに限り、3辺の最大の和が、250センチメートル以内のもので、その重量が30キログラム以内のもの―略―」※に収まるので。

しかし同条「2」にあるように「(1)自転車にあつては、解体して専用の袋に収納したもの又は折りたたみ式自転車であつて、折りたたんで専用の袋に収納したもの」※(注:(2)はサーフボード)

※上記斜体部分はJR東日本の規定より引用。

とあり、コンパクトリンコウバッグの場合、

上記写真のように、いっけん輪行袋に収まっているかのように思えるが、実際は三分割した逆さまバイクに袋を上から被せ下部にあるヒモを引っ張って口を狭めるタイプで完全収納できない。


下部、「巾着ヒモ」

もちろん先出のJR(東日本)規定にも「ジッパーで完全収納せよ」とまでは書かれていないから、メーカーが出している専用袋という概念からすれば問題はないとも解釈でき(この辺グレーだな)、ヒモはできるだけ締め込み「収納袋化」させてみた。

それと上部にも肩紐を出す穴があり、それが意外にも大きく、場合によってはチェーンリング(やチェーン)が露出する。


上部の穴には巾着ヒモはない

これは危険なので、この部位には百均で買ったナイロン袋を被せ保護させたところ良好だった。

また、この輪行袋の外側にあるストラップ類は、車体に付け外側に出す肩紐のみで、それだけだと列車などのポールへの固定は難しく、別途固定用ストラップを用意した方がよさそう。

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モンベルコンパクトリンコウバッグは、文字通りコンパクトさとパッキングの簡便さは最強レベルなのは間違えない。が、使う上で、ルールや安全性等の配慮工夫はユーザーサイドでしなくてはならないため、多少残念な製品だった。そしてこれはバッグではなく、ままでは紐付きシートに過ぎない。

さいごにちょっと一言。


伊豆急線の手回り品切符(平成3年)

自分が鉄道輪行を始めたは昭和60年代で、自転車を持ち込むとき既に「日本サイクリング協会(JCA)」の会員証提示は不要だったが、「手回り品切符」の購入は義務だった(ちなみに国鉄の場合、切符購入は売り場ではなく精算所)。


九十九里まで往復走出発。輪行を知る以前(昭和60年)

当時、JCAにいたサイクルショップクラブの先輩たちから聞かされたのは、いま(昭和の当時)手軽に一般サイクリストが輪行できるようになった経緯で、ねばり強く関係各位へ交渉に交渉を重ね(時にロビー活動も)、ようやっとJCA会員に門戸が開かれたことだった。

そして現在、自転車を鉄道などに持ち込めることが当然の権利の如く掲げておられる御仁がいるが、先人たちの苦労をもっと知って、感謝して輪行すべきだと私は思う。

 

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(おまけ)かつての旅の写真。

平成4年5月の旅。金沢から丹後半島まで4日間走った。

越前、鷹巣付近。

改装前の豊岡駅から今はなき寝台特急出雲に乗って家路に。

 

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